シャツの歴史を振り返り、原点を知る。①チュニック(トゥニカ)
ビジネスマンなら誰もが着たことがあるYシャツですが、その歴史を知る人は少ないのではないでしょうか。
今回は複数回に分けてシャツの原点と、今にいたるまでの変容を探っていきます。
紀元前古代ローマ帝国に起源をもち、現在とほぼ同じ形になったのは西暦1600年代以降で、シャツは時代と共に姿を変えてきました。
1.起源
シャツの起源は古代ローマで着用されていたチュニック(トゥニカ)「tunic」といわれています。
作りは非常に簡単で、1枚の布を半分に折り折ったところに頭を通すための穴をあけ、両脇は腕を通す穴を残して脇を縫ったものでした。
完成形は袖なしのTシャツに近い形になります。
丈の長さはくるぶしから膝丈のワンピースに近いものでした。
のちにチュニックに袖が付けられていき、その後上着と下着に分かれたものが出現してきました。
(もっと遡れば紀元前古代ギリシャの“キトン”と呼ばれる裁断しない長方形の麻布を両肩でピンを留め、ウエストをベルトで絞めて着用していたものがあります。)
中世1600年ごろにはボタンや、襟、袖口が付けられてだんだんと現代のシャツの形に近づいてきます。
今回はここまで。次回は西暦1600年からの歴史を探っていきます。お楽しみに!
余談
語源としてのワイシャツは「ホワイトシャート」からなまった和製英語で、シャート(shirt)の複数形シャーツ(shirts)、「シャツ」となりました。
古代英語では「シャツ」を「スキルト(scyrte)」と呼び、その語源はスカンジビア語の「スキルタ(scyrta)」であったそうです。
もちろんこれもシャツを指しますが、“短い着物”という意味合いで使われていたようです。
また、「スカート(skiet)」も同じ語源であるそうです。つまり、同じ“短い着物”でも上半分に重点をおいたものがシャツであり、下半分に重点をおいたのが、スカートでした。
英語「スキルト」は西暦1000年ごろから用いられていたらしく、現在の「シャツ」になったのは1530年ごろだったそうです。