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シャツの歴史を振り返り、原点を知る。②

投稿日:2020.8.03 カテゴリー:ALL

ワイシャツの歴史を紐解く第2回です。

前回はワイシャツの歴史は紀元前まで遡り、もとは袖なしワンピースのようなもの(トゥニカ)であることが分かりました。

今回は中世ヨーロッパです。

 

西洋で重ね着の習慣が起こったのは中世以降であり、まず古代のチュニックを元としてスモックが作られ、さらにそれがシュミーズ(現代のワンピース)に発展したと考えられています。

中世の人々の衣装は、14世紀に男性服における変化が起こるまでは、ローブ(毛織物の長衣)が基本でした。ローブは上衣とスカートが一緒となり繋がった形状のもの。

女性はシュミーズ(ワンピース型下着)の上にローブを着るのが典型的な服装で、男性はシュミーズの他にブレー(長ズボン型下着)をつけ、その上にローブを着用していました。

つまり古代のトゥニカ(シュミーズ)は下着となって一般化していきました。

話はそれますが・・・

シュミーズやブレーは普通リンネル製(麻ないし亜麻製)でした。一口にリンネル製といっても、リンネルの語源となった亜麻と、それより下級の繊維と見なされていた麻では価値が大きくことなり、亜麻布は麻布のおよそ4倍から6倍の価値がありました。毛織物製の上着から肌を守るため、貧しい人はごわごわする麻のシュミーズで我慢しなければなりませんでしたが、裕福な人は全ての下着を亜麻製で揃えることができました。その麻布でさえ当時の感覚からして安価なものであったわけではなく、貧しい農民は換えのシュミーズを持つ余裕がないこともあったようです。

また、ワンピース型のローブは主にウール製(羊毛製)で、女性用のほうが男性用より丈が長くつくられていました。ローブは、色や形などが時代によって変化していきましたが、基本的な形に変化はありませんでした。男性用のワンピース型の服としては、ブリオー、コット、ウープランドなど時代や地域によって様々なものがあります。例えば、コットは現代のコートの語源で、男物の長さがふくらはぎからくるぶしまで、女物は裾を引く長さで、数世紀に渡って着られましたが、13世紀には衣装の主流だったようです。これらの衣服は、腰のところで帯をまわして体に固定されていました。

14世紀中ごろから、男性用の衣服に変化が起こります。男性は下着の上に、プールポワン(上着)とタイツ状のショート(脚衣)を着るようになったのです。この変化は、上流階級に始まり、それから都市部へ、そして農村へと広がって行きました。プールポワンとショートの組み合わせは、中世後期、庶民階級の男性の一般服となっていきましたが、ワンピース型の衣服は完全に廃れたわけではなく、ローブは中世を通じて人々に着られ続けました。

プールポワン 引用ウィキペディアより

15世紀線前半になると中世の代表的なファッション、ゴシック様式が完成します。

奇抜で誇張を多く含んだ装飾が特徴的でここからファッション産業も発展していきます。

 

今回はここまで

次回、下着扱いのシャツはついにファッションアイテムとして登場します。

 

 

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